受賞報告(JAASアワード)
JAAS REPORT第4回 (2006年度)
優秀研究賞
『ダイバシティ・マネジメント』
(2005年 白桃書房)
谷口真美
■受賞の言葉 早稲田大学大学院 商学研究科 谷口真美
このような立派な賞をいただき、たいへん光栄に存じます。これまでご指導いただきました先生方、本当にありがとうございました。本学会所属の先生方、大学院の先輩、同輩、後輩のコメントや暖かい励ましをいただきました。企業の方々には、女性や多様性の活用というデリケートなテーマにもかかわらず、調査の機会を与えてくださり、たいへん感謝いたしております。
「多様性をいかす組織とはどのようなものなのか」という、本研究を開始しましたのは、修士論文作成の際にさかのぼります。日本の多国籍企業は、生産システムの面ではうまくいっていても、人事管理の面でうまくいっていないという議論がなされていることを学びました。当時から、日本における女性や外国人の活用にかんしては、なぜそれができないのかという研究が多かったように思います日本企業や日本の経営がだからダメなんだという批判一辺倒の議論には違和感を覚えていました。
一方、私が取り組みましたアプローチは、成功事例に着目するというものです。女性や外国人の登用がうまくいった数少ないまれな事例に焦点をあててまいりました。
博士論文脱稿後、国内外の様々な立場のダイバシティ研究者とかかわりを持ち、戦略論、組織論、社会心理学といった立場からのダイバシティにかかわる理論やモデルを数多く学びました。また、マイノリティが差別されている状況を訴える、私とは反対の立場は、政府の政策(ポリシーメイキング)に効果があり、特にそうしたアプローチは、米国ではとくに効力があることが理解できました。しかしながら、研究を進めるうちに、多様性のための多様性をすすめることや、誰かのために得になることが他の誰かにとって明らかに不利益になるという状況をつくりだすことは、継続的かつ本当の意味で多様性をいかすことにはつながらないと強く実感するようになりました。
もちろん、わたくしの研究は、現在進行形のものです。今回の受賞を励みとして、この賞にはじないような研究をさらにすすめるため、今後も努力してまいりたいと思います。
このたびは、本当にありがとうございました。
優秀研究賞
『人事アセスメント論』
(2005年 ミネルヴァ書房)
二村英幸
■受賞の言葉 二村英幸
優秀研究賞をいただき、ありがたく感激しております。
私は、人事アセスメント・サービスのビジネスに携わり、アセスメント技術の研鑽に長年励んできました。それは、もちろんそれは個人の技ではなく、今回の受賞は私個人の研究成果に対する賞というよりも、アカデミックベースでビジネスを構想した先達、それを推進した同僚、さらにご指導を仰いだ研究者の方々、現場で協働いただいたクライアント企業の皆様など関係者の努力に対する賛辞と感じております。
私は人事アセスメントのビジネスに長年携わらせていただき、学界の先生方のご指導に学び、実践科学を推進する当事者を自認するようになりました。そして、時を重ねるごとに学界の知見が有用であることを実感するところとなり、それを形にしておきたいという思いになったように感じます。
また、人事アセスメントにはアカデミックな知見が役立つことは自明と思いますが、時の流れは、むしろそれに逆らい、実務の技で切り抜けようとしているかのように感じておりました。本書は、そうした動きに対する私なりの挑戦であったようにも思います。
私は、2006年、執筆した時点で在籍していた株式会社リクルートマネジメントソリューションズを辞し、学界に転じ近畿大学のお世話になることになりました。したがいまして、現在は人事アセスメントに当事者としてかかわることができなくなっております。人事アセスメントの実践科学が、本受賞によってビジネスを一層発展させ、さらにその学が深められていくことを切に願うものです。
優秀研究賞
「Influence of Location Factors on Establishment and Ownership of Foreign Investments: The case of the Japanese Manufacturing Firm in Europe」
(International Business Review 14, pp 577-598, 2005)
Ilian P. Somlev & Yasuo Hoshino
■受賞の言葉 Ilian P. Somlev and Yasuo HoshinoUniversity of Tsukuba
We are very grateful for the award received from JAAS for the research effort made substantial in our article which was published in the October (2005) issue of the International Business Review (the official journal of the European International Business Academy published six times per year by Elsevier). The process of writing is difficult, while the gain from the effort does not accrue immediately - many articles are needed for scholars to become well-known and accepted. In this context awards like the one awarded by JAAS are very important for encouragement of further research effort.
Encouraged by this award we will continue our research in the field of global strategic management and foreign investment. Our aspirations are to excel in data analysis and presentation of findings in order to publish more articles in well-known journals. To this end we will give our best.
奨励研究賞
「就職活動における理想と現実の統合過程に関する探索的研究―理想自己・現実状況の関連からー」
(経営行動科学,第19巻2号)
梅村祐子
■受賞の言葉 梅村周子
このたびは、すばらしい賞を頂きまして、大変ありがたく思います。この研究は私が初めて本格的な「研究」というものに取り組んだもので、初めは「研究」というものがいったいどのようなものかもよく分からないまま、試行錯誤で進めて参りました。それを、このような賞をいただけるまでにまとめられたのは、ひとえに、何度も繰り返しご助言や添削をしてくださった指導教官の金井篤子先生のおかげと感じております。また、研究室の先輩方や仲間の皆さんにも、多くのアドバイスや励ましを頂きました。また、論文を投稿し査読をしていただき、コメントを頂くという体験も初めてでしたが、とても刺激的な体験で、自分では見えなかった問題点や新しい視点に気が付き、論点を深めることが出来たように感じております。これら多くの支えがあってまとめられた研究だと感じております。この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。
「奨励賞」という賞を頂いたということは、文字通り「今後も頑張っていくように」というおことばを頂いたと理解しております。そのことばを胸に、今後も努力を重ねて参りたいと思います。ありがとうございました。
奨励研究賞
「Growth and Ownership : Evidence from Foreign Manufacturing」
(経営行動科学,第18巻3号)
Lailani. L. Alcantara
■受賞の言葉 Lailani Alcantara, University of Tsukuba
I would like to thank the Japanese Association of Administrative Science (JAAS),
its Board of Directors, Award Committee and members for an award that grants support and recognition to young scholars like myself. It is a great honour for me to receive this award. I am very grateful to my adviser, Prof. Yasuo Hoshino, for his guidance and encouraging suggestions that has helped me grow and develop in research. I also had the help and support from so many people, professors in the University of Tsukuba and those I had the privilege to meet in conferences, my colleagues, friends and family. I owe a tremendous debt to them all. It has been very rewarding for me to be a member of JAAS. I have tried to contribute to research and will continue to do so in future. Again, thank you very much.
優秀事例賞
該当作なし