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NEWS LETTER

経営行動科学学会第23回年次大会のご報告

 2020年10月31日(土)~11月1日(日)、経営行動科学学会(JAAS)第23回年次大会は、新型コロナウィルス感染症の影響を考慮し、初めてオンラインにて開催されました。
 法政大学を主催校とし、小川憲彦大会委員長のもと、下記の大会委員会メンバーが準備を進め、37件の報告と210名(参加登録者数)の会員の皆様のご参加により無事に終了いたしました。

第23回年次大会委員会メンバー
委員長 小川憲彦(法政大学経営学部)
委員  高田朝子(法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科)
委員  石山恒貴(法政大学大学院政策創造研究科)
委員  坂爪洋美(法政大学キャリアデザイン学部)
委員  森永雄太(武蔵大学経済学部)
委員  林祥平 (明治学院大学経済学部)
委員  松下将章(関東学院大学経営学部)

 

小川憲彦大会委員長より

年次大会を終えた現在、様々な思いがよぎりますが、真っ先に出て参りましたのは安堵の思いです。コロナ禍を無事超えて、22回にわたって手渡されてきたバトンを、24回目の細見正樹先生(関西大学)にお渡しできることに心からホっとしております。

当学会初のオンライン開催となった第23回年次大会は、皆様のおかげで無事に終了することができました。大会委員会を代表し、改めてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

とりわけ、様々な事務局業務をご担当くださったアクセライト社の根岸様、総会や学会賞セッション等を準備・取り仕切ってくださいました田中秀樹事務局担当理事、そして相談をすれば誰よりも早くアドバイスやご意見をくださると同時に、常に温かなお言葉をかけ続けて下さいました藤本哲史会長には、特にお礼を申し上げます。本当にどうもありがとうございました。

もちろん、学会賞セッションの司会をご担当くださいました竹内規彦副会長を始めとした各セッション座長の皆様、ECR企画を主導いただいた大平剛士監事、ご発表者の皆様、参加者の皆様も含め、関わってくださったすべての方がいらっしゃらなければ、決して開催することは出来ませんでした。感謝の言葉しかございません。

今だからこそ笑い話となりますが、前年度の理事会で高橋潔前会長から主催校を仰せつかり、いざ準備をと大会委員会編成に取り組んで発覚したのは、主催すべき法政大学所属の会員が絶対的に少ないことでした。しかも限られた会員はいずれも小職よりシニアの精鋭揃いで、委員をお願いしてよいものかどうか、頭を悩ませました。

早まった判断を後悔する中、恐る恐るお願いをしたところ、ご快諾くださったばかりか、常に気さくなご様子で未熟な私の不足を補ってくださいました法政大学の高田朝子先生、石山恒貴先生、坂爪洋美先生には頭が上がりません。また、母校である神戸大学大学院の後輩にあたる森永雄太先生、林祥平先生、松下将章先生が比較的近場に居てくれたことも大きな助けとなりました。

私を除けば文句のない強力な委員揃いではありましたが、それでも、新たな取り組みを伴ったこともあり、大会開催までの道のりには諸々苦労がございました。しかし、大会の裏にはいつもそのような骨折りがあったこと、これまで何気なく参加させていただいてきた学会は、偉大なる先達のこうした取り組みの賜物であったことを理解する良い機会となりました。改めて、ありがたく感じております。このような機会をくださり、開催を任されるまでに育てていただいた本学会に対し、わずかでも恩を返すことができたとすれば、望外の喜びであります。

とはいえ、大恩を報ずるには、まだまだ不十分だという声が聞こえて参りますので、来年度の第24回目の大会も、一参加者という立場ではありますが、皆さまとともに、精一杯盛り上げて参りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

第23回年次大会委員長
小川憲彦

 

大会優秀賞

麓仁美(松山大学)・松下将章(関東学院大学)・森永雄太(武蔵大学)
「コロナ禍の在宅勤務者における支援の受容が仕事-家庭コンフリクトに与える影響およびその影響の調整要因」
 

優秀研究賞

小林裕(東北学院大学)
『戦略的人的資源管理の理論と実証 ―人材マネジメントは企業業績を高めるか―』(文眞堂 2019年2月)

 

オンライン会員総会における藤本哲史会長挨拶

日時:2020年10月31日(土) 13:00~14:20

同志社大学の藤本です。本日は、お忙しいなか、経営行動科学学会初のオンライン総会にご参集いただきありがとうございます。

昨年(2019年)の今ごろ、JAAS執行部の仕事にご協力をお願いしたい先生方に「入閣の打診」を差し上げていました。いうまでもなく、その頃は、新型コロナウィルスはまだ「海の向こうの噂」程度でした。それからわずか一年の間に世界は大きく様変わりし、今もまだ私たちの生活には明るい展望を持ちにくい状況が続いています。しかし、私がJAASの会長を務める2年間に対する「思い」は今も変わっていません。昨年の秋から今年の春までの準備期間、また今年4月の新体制のキックオフから現在に至るまで、私の思いを支えてくれる多くの仲間が、新しい学会のあり方を提案し、斬新な活動を企画してくださっています。

ウィルス感染の拡大防止のために学会活動が制約される部分はあります。しかし、むしろ制約があるからこそ、昨年まではほとんど考えることが無かった、新しいJAASのあり方や可能性が見え始めているように思います。2020年度のJAAS年次大会はまさにその良い例です。会員の皆様には、ご不便おかけすることがあるかと思いますが、最善を尽くしますので何卒よろしくお願い致します。

さて、私が会長を務める2020~21年度の方針として、2つの重点課題を挙げています。「大学院生・若手研究者の育成」と「学会機関誌『経営行動科学』の編集体制の改革」です。

【重点課題1】 大学院生・若手研究者の育成

本来学会は研究成果の発表の場であって、研究者の育成は二義的な役割だと思います。しかし、近年の大学院教育の傾向を見ると、研究を志す人々に「教えなくてはいけないこと」が十分に教えられていない実情があるように感じています。今後、ますます経営行動科学学会が発展していくためには、会員に研究発表の場を提供するだけではなく、これからの学会活動を支えて行く大学院生や若手の研究者に刺激となるようなサービスを、学会として積極的に提供していく必要があります。

私は、若手の育成には、ふたつのことが不可欠だと考えています。

第1は「研究者としてのスキルを身につける機会の提供」です。
「研究者としてのスキル」には、論文の書き方から最先端の分析方法までさまざまですが、学会が「組織として」若手に提供すべきは、ジュニア、シニアの学会員が、自分の研究や教育を通して蓄積してきた〈ノウハウ〉ではないかと思います。例えば、大学院のサバイバル法、アカデミアでのキャリア形成、海外での学会発表や海外ジャーナルへの投稿のコツ、研究企画書の書き方や外部研究資金の獲得法などは、ジュニア、シニアが若手と共有すべき重要な〈ノウハウ〉です。このようなノウハウの中でも、特に若手が知りたいと思うことを優先的に取り上げて、ニーズに応えていくことが重要です。

2020-21年度は、研究スキルを身に付ける機会を充実させるために、若手を積極的に巻き込みながら、「アーリー・キャリア・リサーチャー(ECR)」プロジェクトを展開していきます。本年度ECRプロジェクトはすでに動いています。例えば、2020年10月から12月の4回にわたって「研究における理論の使い方」を学ぶための「ECRトレーニングコース」が開催されています。こちらには16名の方が参加してくださっています(そのうち1名の方はアメリカ・テキサス州のダラスからオンラインでご参加されています)。また、本日(2020年10月31日)の夕方、年次大会のプログラムとして「ECRトークセッション」が開催されます。こちらは、まさに若手の、若手による、若手のためのプログラムとして企画されたもので28名の方が参加される予定です。どちらのプログラムも経営行動科学学会では初の試みです。また、今年6月には学会員、特に若手会員のニーズをすくい上げるために会員アンケートを実施しました。これからも様々な企画を展開していく予定です。

若手の育成において2番目に不可欠なことは「伴走型支援」です。
伴走型支援とは、ジュニア、シニアの研究者が若手に対して自分たちの「手の内」を見せるような育成のあり方を指してます。研究シードマネーや海外学会への渡航費の助成自体は良いことであっても、それだけでは若手の育成支援としては十分とは言えないと思います。若手が「研究者としてのスキル」を身につけるためには、ジュニア、シニアの研究者が「伴に走りながら」教えるべきことを教える必要があります。伴走型支援にはいろいろなかたちがあると思いますが、私が会長を務める2年間はひとつの試みとして、若手に研究者としての視野と実践的な研究経験の幅を広げてもらうことを目的に、「若手研究者海外学会派遣プロジェクト」(バディ・プロジェクト)を立ち上げ若手研究者の挑戦を支援していきます。

バディ・プロジェクトも今年度すでに動き出しており、学会員への公募と書類審査の手続きを経て若手とジュニアのペアが一組成立しています。現状、海外学会の動向が読みにくい部分がありますが、オンラインでの研究発表の可能性も含めて、海外学会への参加を目指して準備を進めていただいています。2021年度も研究ペアのマッチングに向けて募集をしたいと考えています。

【重点課題2】 学会機関誌『経営行動科学』の編集体制の改革

JAASでは、今年度より新たな査読体制としてシニア・エディター制を導入しています。新しい制度を導入するに至った背景には、ここ最近『経営行動科学』への投稿論文の数が十分に確保できていない実態があります。ただ、編集体制や査読プロセスの内容、レフェリーの選び方,査読のスケジュール,審査の基準や厳格さ、といったことには改善の余地があると考えられました。そのような改善を通して機関誌が現在置かれている現状を打破する可能性は十分にあると考えられたため、改革の一歩を踏み出した次第です。

今回の改革は、「持続可能な編集体制づくり」を目指すものでもあります。昨年度までは、機関誌の査読管理は編集委員長が単独で行われていました。しかし近年では、学会員の興味関心や研究内容が多様化しつつあり,今後は編集委員長の個人的な力量だけでは投稿者に対して十分な支援が出来なくなる可能性があります。また、そういった負荷の高い役割をお引き受けいただく編集委員長のなり手を確保することも容易ではなくなる可能性があります。新しい編集体制の構築は、投稿者に対して安定的に質の高い査読サービスを提供するうえで不可欠と考えています。

さらに、編集体制の改革を若手の育成につなげる狙いもあります。新しい制度のもとで、投稿論文が最終的に機関誌に載るような査読支援のあり方を目指したいと考えています。これは査読を甘くするということではなく、投稿論文の査読を通して、特に若手に対する「伴走型」の論文作成支援を行うことを意味しています。つまり、「何をどのように修正すればより良い論文になり、機関誌に掲載されるか」を投稿者本人がきちんと理解出来るような査読のあり方にしたいと考えています。

加えて、新しい体制のもとで機関誌の編集に若手研究者にも関与していただくことで、学会を支える次世代育成につなげることも重要な目標です。ただし、特定の個人に負荷がかかり過ぎず、公平な役割分担になるよう注意を払う必要があります。

これら以外にもJAASには課題があるかもしれませんが、全て同時に取り組むことは出来ません。ここにご紹介しました2つの課題は、いまJAASが重点的に取り組むべき重要なもので、私が会長を務めさせていただく2年間でこれらの課題にしっかり取り組んでいきたいと考えています。

経営行動科学学会
会長 藤本 哲史

 

大学院生・若手研究者(ECR)トークセッション ~気になる「研究」や「就職・キャリア」の話~ 報告

日時:2020年10月31日(土) 17:00~18:30
開催形式:オンライン(Zoom)
主催者:経営行動科学学会ECRプロジェクト
大平剛士(大阪商業大学)、今井裕紀(新潟国際情報大学)、秋保亮太(大阪大学)
穴田貴大(神戸大学大学院)、楊芸玥(横浜国立大学)、王嬌(同志社大学大学院)
大竹恵子(京都先端科学大学)、夏世明(同志社大学)、伊藤鞠(同志社大学大学院)
参加者数:15名

将来の経営行動科学の研究を担う大学院生・若手研究者(Early Career Researchers:ECR)のネットワーク構築や、研究・教育の能力開発、就職・キャリア形成支援を目的に、9名の大学院生・若手研究者が集まり、今年度から活動を開始しています。第1回目の企画として、「研究」や「就職・キャリア」をテーマとしたトークセッションをZoomで開催しました。研究をテーマにしたトークセッションの前半では、新潟国際情報大学の今井さんから、今年6月に経営行動科学学会が実施した会員向けアンケートの分析結果が報告されました。次に、研究に関する話題提供として、神戸大学の穴田さんからは定性研究のリサーチサイトの確保について、また横浜国立大学の楊さんからは海外ジャーナルへの投稿・掲載について、それぞれの経験談の紹介や事前にいただいた質問への回答が行われました。就職・キャリアをテーマにしたトークセッションの後半では、大阪大学の秋保さんが進行役を務め、横浜国立大学の楊さんと京都先端科学大学の大竹さんから研究者の就職活動の方法や体験談、アドバイスなどが紹介され、参加者の方々との質疑応答も行われました。終了後のアンケートでは、「就職活動の具体的な話を聞くことができてよかった」、「次回は論文投稿について詳しく聞きたい」、「これからもECR向けの様々な企画を実施してほしい」などの様々な感想や要望をいただきました。今後は研究や就職・キャリアに関する特定のテーマにより焦点を絞った企画など支援ニーズが高い企画を展開することで、ECRへの支援を継続的に行っていきたいと思います。

ECRトークセッション集合写真

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