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ニューズレター

NEWS LETTER

JAASニューズレター 2023年2号

JAASニューズレター 2023年2号

 

発行:経営行動科学学会

編集:今井 裕紀・内藤 知加恵(ニューズレター・ホームページ担当理事)

発行日:2023年12月25日

 

このページではニューズレター2023年2号の一部を公表します。全体版は、マイページにログインし、「ダウンロード」からご覧ください(会員限定)。

 

 

経営行動科学学会第26回年次大会 開催報告

年次大会担当 高尾義明(東京都立大学)

 

10月14日・15日に東京都立大学南大沢キャンパスで開催されました第26回年次大会では、多くの会員の皆様にお越しいただき、誠にありがとうございました。大会実行委員会を代表して、改めてお礼申し上げます。

 

今大会は、久しぶりの対面開催ということで事前申し込み・当日申し込みを合わせて179名の会員の方に参加申込をいただき、研究発表件数も53件を記録しました。また、仕事と研究の両立についての職場適応部会セッションも開催されました。

さらに、特別講演として、株式会社ユサワフードシステム代表取締役の湯澤剛氏より、「あきらめなければ道は拓ける  朝の来ない夜はない ~負債40億円からの挑戦~」と題した講演を頂きました。講演後は白熱した質疑が続き、皆様の研究関心に対する強い刺激になったように感じられました。

これらの機会が会員の皆様の今後の研究や実務に資するものになれば、大変嬉しく思います。

 

4年ぶりの対面での年次大会が大きなトラブルもなく終了できたのは、多くの方々のご協力やご支援によるところが大きかったように感じています。理事の先生方、座長をお引き受けいただいた先生方や発表者の先生方、そして大会実行委員会のメンバーに、この場を借りて改めて感謝を申し上げたいと思います。

 

次回の年次大会は、大阪公立大学で開催される予定です。再び対面で盛んな交流が行えることを心待ちにしております。

 

共同委員長 高尾義明(東京都立大学) 中西善信(東洋大学)

委員 池田めぐみ(東京大学) 小野寺美希子(日本医療大学) 木村裕斗(東洋大学)  小林英夫(多摩大学) 小山健太(東京経済大学) 田原慎介(公立諏訪東京理科大学)  初見康行(多摩大学) 藤澤理恵(リクルートマネジメントソリューションズ/東京都立大学)
 




 

学会賞・大会賞受賞者

 

2022年度経営行動科学学会賞(JAASアワード)

 

優秀研究賞(著書部門)

中西善信氏 『公共調達の組織論:正統性とアカウンタビリティの罠』千倉書房(2022年)

 

優秀事例賞

鈴木智之氏 『就職選抜論 -人材を選ぶ・採る科学の最前線』中央経済社(2022年)

 

大会優秀賞

 

大平剛士氏・藤本哲史氏 「父親の時間資源と子育て-仕事の自律性と時間に基づく仕事から家庭生活への葛藤、温かい応答性の関係-」

 

鄭有希氏・竹内規彦氏「組織社会化戦術の隠れた効果:入社前の組織魅力は入社後の社会化に影響を及ぼすか?」

 

松井孝憲氏・石山恒貴氏「異業種チームにおけるトランザクティブ・メモリー・システムの発達メカニズム ―Gioiaメソッドによるケース・スタディ―」

 

 

部会報告

「組織行動部会」と「国際学術交流」の共催セミナー報告

 

組織行動部会長 鄭 有希(早稲田大学)

 

・開催日時:2023年7月1日(土)15:30-17:30

・開催場所:早稲田大学 早稲田キャンパス 14号館102教室

・参加者:28名

 

 この度、組織行動部会と国際学術交流が共催で、「Current Trends in Diversity and Inclusion Research」と題した国際セミナーを開催しました。コロナ以降、久しぶりの対面形式のセミナーでありましたが、多くのJAASの会員の方々が参加してくださいました。

 セミナーでは、Raymond Trau先生(Senior Lecturer in the Department of Management at Macquarie University)をお招きし、ダイバーシティに関する最新の研究動向についてご講演いただきました。Trau先生の講演では、最新の研究成果としてトップジャーナルに掲載されたジェンダー・ダイバーシティに関する研究が紹介されました。さらに、日本の研究者が日本の文脈で行っているジェンダー・ダイバーシティ研究にも触れ、当日のセミナーに参加した日本の研究者や実務家との議論が深められました。

 今回のセミナーは英語で行われましたが、言葉の壁はなく、講演後の質疑応答や意見交換は非常に有意義なものとなりました。特に、Trau先生の発表内容に高い関心と専門性を持つ多くの参加者による質問や意見交換が活発に行われました。

 今回のセミナーを通じて、ダイバーシティ研究分野における最新の知見が共有され、参加者に新たな視点や知識の提供ができたと思います。今後も組織行動部会では、会員の皆さんの協力によるセミナーの開催を進め、組織行動論の研究分野の最新の研究を紹介していきたいと思います。

 最後に、当日セミナーにご参加くださった皆様に、この場をお借りして心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 

西日本部会報告

西日本部会長 松山 一紀(同志社大学)

 

 2023年11月4日(土)、神戸学院大学三ノ宮サテライトキャンパスにおいて、日本労務学会国際交流委員会および同関西部会との共催で、西日本部会を開催いたしました。

 

 今回は、英国・サザンプトンビジネススクールのYehuda Baruch教授をお招きして、特別講義をして頂きました。Baruch教授は,キャリアとグローバルHRMを中心に幅広いテーマの研究に従事され,これまでに数多くの論文,著書を公刊されています。今回のテーマは"Career Ecosystem theory: A foundation for sustainable careers“でした。

 キャリア・エコシステムは文字通り、キャリア・システムを生態系になぞらえた概念です。この考え方の主なポイントは、永久に移動し続けるという点にあります。多くの、そして複数の利害関係者が直接的または間接的に関与し、その結果、多数の相互作用と相互依存が必要になると教授は述べておられます。それゆえ、キャリア・エコシステム理論は、今日の労働市場の現実を描写し、説明することができるのだと言えます。

 また、教授は、キャリア・エコシステムを個人、組織、国家といった3つのレベルで捉えておられます。講義の後半では、それぞれのレベルに応じた実践的示唆が、次のように述べられていました。まず、これからの個人は野心的でなければなりません。自分の現実的な価値を認識し、セカンド・キャリアやサード・キャリアに備える必要があるのです。次にこれからの組織は、人的資本を見出し、維持し、排出するための複数のオプションを認識しておかなければなりません。そして最後に、国家は、人的資本への投資を怠らず、教育制度の活用を最適化し、規制と自由放任のバランスを見極めなければならないと、述べられていました。組織という境界のなかでフォロワーシップを捉えようとする、私のような研究者にとっては、様々な意味で気づきを得ることのできる講義でした。

 このように、とても興味深く、かつ有意義なお話を1時間半にわたって、熱弁して頂きました。それは、当初予定の1時間を大幅に上回るものでした。フロアの参加者も熱心に聞き入り、様々な質問が飛び交っていました。最後は、参加者全員で集合写真を撮影し、和やかな雰囲気のうちに閉会となりました。遠路お越し頂いたBaruch教授に、厚くお礼申し上げたいと思います。また、今回お取次ぎ頂き、会場の手配をして下さった、神戸学院大学の大塚英美先生、そして、開催までの準備を滞りなく進めて頂いた、労務学会国際交流委員長の田中秀樹先生、最後に、連休の中日にご参加いただいた皆さんにも、この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 

 

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